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Església de la Colònia Güell

  
  
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2005 年7月15日,ユネスコ世界遺産に指定

(パンフレット “教会”に掲載されたXavier Gonzálezの文から抜粋)

1歴史概略

1898年,カタルーニャ文化事業の後援者であった実業家エウセビ・グエルは,サンタ・コロマ・ダ・サルバジョ市に1890年に設立された繊維工業住宅地区の教会建設を建築家アントニ・ガウディに依頼しました.

ガウディは早速事前調査を開始し,数年にわたる調査の集大成として,教会模型を制作し,教会建築予定地の丘陵にあった建物に設置しました.教会建設は1908年に着工されたものの,礼拝堂,側面の数々の塔,丸屋根と高さ40mの円筒形の中央部を備えた,この上階と下階からなる二階建ての壮大な教会の建築計画は,ついに建物全体の完成を見ることはありませんでした.

1914年,グエル家がガウディに工事資金出資の断ち切りを通告し,ガウディはこの建築計画から手を引きました.翌年11月,唯一建設が終了した下階の礼拝堂を祝福する儀式が,バルセロナ司教により,とり行われました.このため,下階の教会はその後,「地下礼拝堂」と呼ばれています.1915~17年にかけて,別の建築家によって,上階のレンガ造りの壁とセメントの屋根が建設されました.

建築段階ごとの建物の様子を描いたクロッキー

2 主要作品

この教会は,結局未完成に終わったにもかかわらず,ガウディの最高傑作として位置づけられています.ガウディが,数々の革新的な建築学的試みを総合的に実践した,初めての作品です.

カテナリー(懸垂線)アーチは,重量負荷の問題を単純化する一方で,外壁が双曲放物面(ハイパーボリック・パラボロイド)の形状となることを決定しています.また,全体の調和を尊重する精神が作品の随所に反映されています.内部の空間には,なめらかな流れと力強さが共存し,階層は建設地の丘の急な傾斜にあわせて建設され,素材には周囲の植物や土と同系の色や質感のものが使用されています.

これらの建築学的試みは,設計,建築技術,建築形態を統合するための独創的なアイデアを構築する一方で,審美的,表象的意味のある装飾要素を取り入れることによって,その価値を一層高めています.

3 工芸

コロニア・グエル教会は,建築学的にも,また建設工事の面からも革新的な要素が導入されたばかりでなく,インテリアから装飾にいたるまで,ガウディ色の強い多数の工芸事例を保持しています.

たとえば,聖水盤として使用されているフィリピン産の貝殻は,際立った一例です.また,大祭壇の周囲を取り囲むように円形に配置された祈り台付きの椅子も注目に値します.窓からの採光がもたらす流動的な室内空間により,この独特な配置が可能となっています.

花の模様を形づくっている大小さまざまなステンドガラスの窓を教会の外側から観察すると,「トレンカディス(破砕張り)」という手法による特徴的な模様や,モザイク模様によって表現された宗教的な象徴を見ることができます.また,入り口のポーチには,聖三位一体,四徳,対神徳を象徴するセラミックとガラスによるモザイクが門の上に表現されており,アーチ型の天井の一つ一つには,十字架があしらわれています.

4 素材

この教会の最も注目すべき建築要素の一つとして,素材の多様性が挙げられます.たとえば,玄武岩,石灰岩,煉瓦,焼き直し煉瓦,くず鋳鉄,セラミック,ガラス,モルタルなどが使用されており,幾種類もの多様な素材が一つの構想のもとに統合されています.装飾様式と,象徴的要素を考慮したうえに,建築に不可欠な技術的要素を統合した点に,ガウディの才能が輝いています.

ポーチと下階の柱に使用されている変化に富んだ素材は,荷重に十分耐える一方で,各々の柱が双方の空間にダイナミックで多様性のあるリズム感を与えています.

同様に,外壁に使用されているくず鋳鉄や煉瓦は,建築学的機能を果たすのみではなく,その独特な色と質感の効果により,教会を取り巻く自然と見事に調和しています.さらに,これらの素材は,作品の宗教的性格にも適応しています.たとえば,焼き直しの素材は,神に献上するにふさわしく,火によって清められた教会であることを意味しています.

5 ポリフニクラ模型

コロニア・グエル教会建設にあたり,建築学的問題を解決するためにガウディは,ポリフニクラ(ガウディの逆さ吊り実験の曲線)模型という新しい建築理論の開発を余儀なくされました.この模型の制作により,従来の平面図では説明できなかった問題を,視覚的に逆さにした立体模型を提示することで,解決することができたのです.

模型の構造機能は,次の通りです.まず,教会の図面が描かれた板を用意し,壁面が交差する点あるいは柱の根元を示す点にひもを垂らします.次に,ひもの先端に重りを入れた袋をつけます.この際,実際の荷重と同じ割合にすることにより,建築すべきアーチの曲線が作り出されます.こうして,建築物の基本構造が決定したらアーチ型の天井と外壁を形づくるため,模型を紙で覆います.

最後に模型を写真撮影し拡大したものにガウディは教会の正面図の内側と外側の最終案を直接書き込んでいきました.

6 双曲放物面

この教会の画期的な試みの一つとして挙げられるのが,建築史上初めて双曲放物面(ハイパーボリック・パラボロイド)の形状を導入したことであり,壁やポーチのアーチ型の天井に使用されています.

双曲放物面は,平行でない二つの接線の間を結ぶ際に規則的に描かれるいくつもの直線から作り出される特徴的な曲面です.直線から曲面を作り出す結果,力強さと柔軟性に富んだこの形状の独自性が生み出されます.ポーチにおいては,凹面状のカーブと凸面状のカーブを併せもつ表面によって天井がつくられています.さらにガウディは,直線と放物線の双方を併せもつ三角形のタイル片を天井に使用することによって,双曲放物面の外見を一層強調しています.

多くのガウディの作品同様,この一見複雑な建築学的課題は,技術的に単純な方法によって解決されています.双曲放物面は,直線に見立てた木板を並べ,そこから曲面を作り出しただけなのです.

7 下階

地図参照

1. 1902年にガウディによって作成された十字架の複製.オリジナルは,バルセロナのミラリェス邸の門の上部の十字架.

2. ポーチ:当初の計画通り上階が建設されていたら,上に通じる階段の支えとなるはずでした.

3. ポーチの下部.

4. 正面玄関:上部にガラスとセラミックで作られたモザイク装飾があしらわれています.

5. 下階:さまざまな柱が綿密な空間の配置を決定しています.

6. 聖キリストの礼拝堂.

7. 貝殻でつくられた聖水盤.

8. 上階へ通じる階段の建設が予定されていた空間.

9. 聖母モンセラットの祭壇(1956年,イシドロ・プッジ・ボアダ作).

10. 1965年にピーター・ハードンによって再調整された聖壇およびジョゼップ・M・ジュジョールによる拝壇と天使(1945年,1946年作).

11. 聖家族の祭壇(1945年,ジョゼップ・M・ジュジョール作).

12. 聖器室.

13. 合唱壇.

14. 工業製品を再生してつくられた格子によって保護された,セラミックとガラスで装飾された窓.

15. 双曲放物面を利用した壁(2002年,アントニ・ゴンサレス・モレノ・ナバロ作).

8 上階

地図参照

16. 新設された上階への階段.

17.  未建設に終わった上階側面の門.

18.  新設されたテラス:ガウディによって設計された下階の天井の高さにあわせ,テラスは当初の計画よりも1段高く建設されています.

19.  お身体の不自由な方のための通路となる予定.

20.  玄武岩でできた上階の塀の装飾.

21.  上階の柱が建設されるべき位置にテラスの床の他の部分と異なる色の石が配置されています.

22.  下階の聖キリストの礼拝堂の胴体部.聖器室および側面の門と同様に,この部分にも塔の建設が計画されていました.

23.  さらに上の階へ通じる階段の建設が計画されていた坂.

24.  正面玄関のプラットホーム.

25.  正面玄関のポーチ:坂と階段同様,床はトタンで覆われています.

26.  正門.

27.  洗礼場への通路門.

28.  教会側面の塔の一つに建設された鐘楼.望楼としても使用されています.

9 修復

教会の修復作業は,コロニア・グエル協会によって推進され,バルセロナ県議会と文化省および勧業省の後援により,建築家アントニ・ゴンサレス・モレノ・ナバロの指揮下において,県のSPAL(地域建築遺産局)によって実施されています.

工事の目的の一つは,アントニ・ガウディの作品としての本来の価値を回復することです.一般的な修復と保護の作業に加え,ガウディの手を離れた後に,追加あるいは削除されたものが,ガウディの設計にしたがって修復の対象となっています.

もう一つの目的は,未建設部分の完成です.途切れていた外壁の不足部分を建設し,形態面での完成を進める一方で,機能面における完成を目指して,通路が再構成されました.具体的には,新しい入り口の経路を設置することにより,訪問者を建設されなかった上階への階段へ誘導するのではなく,下階のポーチを通り抜け,門を通過し,上階のテラスへ通じる新設の階段へ導く通路が新設されました.

付属文書

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